いちばん奥の席
30秒エッセイ #7
「お好きなお席へどうぞ」
お店に入ってそう言われると、できるだけ一番奥の席を選びます。
なんとなく落ち着くから。
人の出入りも気になりにくいし、自分だけの小さな空間になる気がする。
僕は、猫みたいに、隅っこのほうが安心する生き物なのかもしれない。
でも、どこでもいいわけじゃない。
古そうなお店とか、ちょっと衛生面が気になる場所だと、真ん中あたりへ座ります。
理由は単純。
黒いアイツが出てきそうだから。
隅っこは、僕にとって安心する場所。
でも、アイツにとっても安心する場所な気がする。
偏見だけど、きっとそう。
だから、その日の僕は少しだけ葛藤する。
落ち着きを取るか。
安全を取るか。
結局、一瞬で店内を見回して、いろんな可能性を考えてから決めます。
猫になりたい日はあるけれど、黒いアイツのほうが怖い。
本当に怖い。
(あとがき)
ちなみに、ぜんぜん犬派。
いぬいあお
「まだ途中のまま」を書いています。
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